2026年6月26日(金)、弊社代表取締役CEOの平瀬錬司は、東京都市大学「サステナビリティ経営基礎コース」で講義しました。受講者は、上場企業の経営企画・サステナビリティ・IR等に携わる約30名。
「データ駆動型のサステナ企業価値創造規制対応だけではない、サステナ/非財務情報を将来ストーリーと企業価値創造の源泉とする」を講義テーマとし、企業融資の視点からサステナブル経営を捉え直し、非財務データを「未来の返済能力」「成長余地」「銀行・取引先との共通言語」ととらえ、活用していくことについて講義しました。
■ 開催概要
日程:2026年6月27日(金)
時間:18:00〜19:10
会場:TCU Shibuya PXU
融資は「未来キャッシュフローに時間を与える契約」である
講義の出発点となったのは、融資を単なる「お金の貸し借り」ではなく、「企業の将来キャッシュフローを生み出すための時間を提供する契約」と捉える視点です。銀行が知りたいのは、過去の決算書だけではありません。3年後、5年後も収益を生み続ける仕組みがあるか、そして取引先や従業員、地域社会から信頼を得られているか。そうした将来性まで含めて評価しています。
この問いは、上場企業の資本市場対話にもそのまま接続します。投資家が知りたいのも、過去の業績だけではなく、自社がどの市場で選ばれ、どのリスクを下げ、どの人材・技術・信頼・サプライチェーンによって将来キャッシュフローを生むのか、という点だからです。

決算書は「結果」、非財務データは「結果を生む仕組み」
決算書は企業評価の土台です。しかし、変化の大きい時代には、決算書だけでは未来を説明しきれません。人的資本は採用力・定着率・生産性に、脱炭素やエネルギー管理は電力価格・規制対応・取引先要請への耐性に、サプライチェーン対応は調達安定・品質・顧客維持に影響します。
これらは、すぐにPLやBSへ表れない場合がありますが、数年後の売上、利益率、資本コスト、採用力、取引継続性には影響します。だからこそ非財務データは、「将来のリスクと成長余地を説明する証拠」として扱う必要があります。

サステナブルファイナンスは「審査」から「伴走」へ
非財務情報を融資に使う目的は、企業を減点することではありません。GHG、人材、取引先、ガバナンス等の情報を集め、比較可能な形式に整え、強みと課題を把握し、改善余地と投資計画を金融機関と対話する。その結果、融資条件、保証、伴走支援、地域施策へ接続できます。
サステナブル・ラボは、国内最大級の非財務データバンク「TERRAST」と、一般社団法人サステナビリティデータ標準化機構(SDSC)を通じて、非財務情報を金融機関・信用保証協会・取引先・自治体が使いやすい共通言語へ標準化する取り組みを進めています。講義では、SDSCに69行の銀行が加盟していること、標準化した非財務情報を融資商品・保証商品・経営改善の伴走へ接続していることも紹介しました。
上場企業への示唆:サステナ施策を「判断できる言葉」に変える
企業がサステナビリティ施策を伝えるときに重要なのは、「よい活動をしています」ではなく、「返済能力や将来キャッシュフローにどう効くか」で語ることです。これは投資家対話でも同じです。どのリスクを下げるのか、どの売上機会を広げるのか、どのKPIで追うのか、どの時間軸で改善するのかを明確にする必要があります。
CFOやIRが語るべきなのは、抽象的な理念ではなく、人的資本、気候変動対応、サプライチェーン管理、地域連携、ガバナンス強化が、事業リスク、成長機会、資本コスト、ROIC、将来キャッシュフローにどう接続するかです。

最後に:非財務データを、金融と経営の言葉に翻訳する
講義の最後に投げかけられたのは、「あなたの会社・地域で、銀行に伝えるべき未来価値は何ですか」という問いです。この問いは、上場企業にもそのまま当てはまります。投資家には未来価値を、取引先には信頼を、社員には会社の未来を伝えることが求められます。非財務データは、そうしたさまざまな相手との対話を支える共通言語です。
サステナブル・ラボが支援できること
弊社が支援できる企業
統合報告書・IRサイト・サステナビリティサイトのAI可読性を高めたい企業、非財務KPIを企業価値ストーリーに接続したい企業、金融機関・取引先・投資家との対話材料を整えたい企業は、サステナブル・ラボにご相談ください。
| 支援領域 | 提供価値 |
| 非財務データ基盤 | 人的資本、気候、サプライチェーン、ガバナンス等を、経営・金融・投資家対話に使える形へ整理。 |
| 財務・非財務分析 | 非財務KPIと財務指標・企業価値指標の関係を分析し、価値創造ストーリーを補強。 |
| AI可読性診断 | 統合報告書、IRサイト、サステナビリティサイトを、人間にもAIにも読める構造へ改善。 |
| SSBJ/ISSB・開示高度化 | 規制対応を作業で終わらせず、経営戦略・財務・投資家対話へ接続。 |
AIフレンドリーなサステナビリティ開示へ
情報の読み手が「人」から「AI+人」へと広がる中、AIに“正しく解釈される”ことが、これからの開示における重要な前提となりつつあります。サステナブル・ラボは、守りと攻めの両面から、AIフレンドリーなサステナビリティ開示の実現を支援します。




