【TOPIX500の統合報告書×2年分、約5,000万語をAI・テキスト解析】日本企業の非財務経営トレンドをデータで捉える、統合報告書の最新トレンドと開示戦略
2026年6月4日(木)、サステナブル・ラボ株式会社が主催する「モメンタムキーワードウェビナー」が開催され、当社のサステナビリティ・ディレクター / デザイナー:前田大地、データサイエンス・ディレクター:池上祥平らが登壇し、「モメンタム・キーワード大賞 2026」の結果について解説しました 。
■ 開催概要
日程:2026年6月4日(木)
時間:12:00〜13:00
会場:オンライン開催
■ イベントのポイント
本セッションでは、企業が統合報告書のテキスト分析を通じて、企業がステークホルダーとどのような言葉で対話しようとしているかを可視化する取り組みに着目し、中長期的な開示戦略の在り方が議論されました 。従来のサステナビリティ開示では規制対応や体制整備といった「守り」の側面が重視されてきましたが、今後は自社のビジネスモデルに照らし合わせ、独自のストーリーを構築するための検討材料としてキーワードの「モメンタム(勢い)」を捉えることが重要になります 。
具体的には、TOPIX500のうち2025年12月末時点で2024年・2025年両年の統合報告書が発行されていた382社から抽出した約5,000万語のテキスト解析をもとに 、環境・社会・ガバナンス・コーポレートファイナンスといった各部門でのモメンタムが示されました 。例えば、トレンドワード1位となった「関税」に象徴される地政学リスクの急浮上や 、「脱炭素」から「自然資本・ネイチャー」への移行 、ROE・PBRの共通言語化に伴う「資本効率」への解像度向上など、企業の統合報告における経営アジェンダが次のフェーズへと進んでいる点が明らかにされました 。
また、今年から新設されたフレームワーク「モメンタム・サイクル2026」においては、各キーワードをハイプサイクル型の5段階(萌芽期〜価値創造・標準期)に分類し、自社の開示戦略へ活用する具体的な枠組みが提示されました 。単なる短期的な流行語の模倣ではなく 、変化の激しい非財務領域において「どのキーワードが今どのフェーズにあるのか」を客観的に見極める重要性が共有されました 。
さらに、こうした変化は単なる開示の高度化にとどまらず、一般語部門で5位にランクインした「問い」の急増に象徴されるように、統合報告書が「一方通行の情報発信」から「ステークホルダーとの双方向の対話」へと移行しつつあるナラティブの質的変化をもたらしています 。投資家からのフィードバックでも「モメンタムが高いからその言葉を使う」のではなく、「なぜそのキーワードが自社に重要なのか」を咀嚼したコミュニケーションが有意義であるとされており 、非財務KPIが財務の先行指標としてどう現れるかを定量・定性的に語ることが、これからの価値創造ストーリーの核心となります 。
■ 参加者の声
事後アンケートでは、多数の肯定的なご意見を頂戴いたしました。一部をご紹介します。
- 客観的な分析からトレンドを把握する試みが新鮮で、かつ偏りがないため社内関係部署への情報共有もしやすい内容であった。
- 統合報告書に頻出するキーワードをAIで分析し、現在の情報開示のトレンドをつかむという手法はおもしろいし、お話もとても分かりやすかった。
■ まとめ
本イベントを通じて、最新の統合報告書分析がもたらす開示実務への影響と、今後企業に求められる対応の方向性について、多くの示唆が共有されました。当社としても、開示に関わる皆様とともにこのダイナミックな変化を捉え、企業の価値創造ストーリー構築を継続してサポートしてまいります 。
「モメンタム・キーワード大賞 2026」の詳細は、以下のプレスリリースをご参照ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000052578.html
■登壇者紹介
前田 大地
サステナビリティ・ディレクター / デザイナー
ITベンチャーにて、サステナビリティ経営の重要性を経営者に説き、2016年に非上場企業ながらサステナビリティ部署を立ち上げ、マテリアリティ特定〜サステナビリティレポート作成まで行う。その後、スタンダード市場上場企業での経営企画部にてIR・広報PR・サステナビリティの経験を培い、サステナブル・ラボに参画。
池上 祥平
データサイエンス ディレクター
高校在学中よりフリーランス。商業デザイン、出版、シンガポール人実業家と共同でのEdTech起業、AIベンチャーのひとりめエンジニア等を経て、当社データ部門の最高責任者に就任。データサイエンティストとして東証プライム企業案件を多数経験。
AIフレンドリーなサステナビリティ開示へ
情報の読み手が「人」から「AI+人」へと広がる中、AIに“正しく解釈される”ことが、これからの開示における重要な前提となりつつあります。サステナブル・ラボは、守りと攻めの両面から、AIフレンドリーなサステナビリティ開示の実現を支援します。




