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【イベントレポート】AIフレンドリー統合報告書の実践事例 ~AIによる一次評価時代に、発行体がいま準備すべきこと~

2026年2月27日(金)、Fabbit京橋にて、「AIフレンドリー統合報告書ランキングから読み解く、生成AI時代の企業開示・コミュニケーション」を開催しました。

 

当日は、企業のIR・サステナビリティ担当者、広報、制作会社関係者など約20名が参加し、AI時代における企業開示のあり方について意見交換が行われました。

本イベントでは、当社が公開している「AIフレンドリー統合報告書ランキング」を題材に、生成AIやクローラーといった機械にとっても理解しやすい開示資料とはどのようなものか、実例を交えながら解説しました。特に、IHIの統合報告書を事例として取り上げ、AI可読性を意識した資料設計のポイントや、企業開示の実務における示唆について共有しました。

背景:なぜ今「AIアクセシビリティ」のニーズが高まっているのか

現在、日本国内で発行される統合報告書は1,000社を超え、開示情報の拡充とともにその情報量も肥大化の一途をたどっています 。一方で、受け手である機関投資家やアナリストのリソースには限界があり、全ての報告書を人間が精読することは物理的に困難な状況です。

こうした中、機関投資家の現場では、LLM(大規模言語モデル)やAIクローラーを活用し、膨大なデータから必要な非財務情報を効率的に抽出・解析する「AIによる一次評価」の導入が急速に進んでいます。ここで重要となるのが、機械が情報を正しく理解できるかという「AIアクセシビリティ(機械可読性)」の視点です。

もし自社の統合報告書がAIにとって読み取りにくい構造であれば、どんなに優れたサステナビリティ戦略を掲げていても、AIのスクリーニング段階で「情報なし = 未読」やと判定される、あるいは「誤った解釈 = 未読」をされるリスクがあります。投資家との質の高いエンゲージメントを維持するためには、人間だけでなく「AIにも正しく読まれる」ための情報構造の設計が、ディスクロージャーにおける最優先課題となっているのです 。

開催概要

日付:2026年2月27日(金)
時間:16:00〜17:30
会場:Fabbit京橋
登壇者:
平瀬 錬司(サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役CEO)
太田 昌来 氏(株式会社IHI コーポレートコミュニケーション部 サステナビリティ推進担当)

■ 参加者の傾向:時価総額数兆円クラスから、アカデミアまで

当日は、IR・サステナビリティ担当者を中心に約20名が参加されました 。

当日は、時価総額数兆円規模の日本を代表するグローバル企業から、数千億円・数百億円クラスの企業まで、幅広い層の皆さまにご参加いただきました。
業種においても、化学や電気機器、精密機器といった製造業から、IT、さらには学術機関にいたるまで多岐にわたり、AI可読性への関心の高さがうかがえる顔ぶれとなりました。



イベントのポイント:株式会社IHIが取り組む「AI可読性」の深化

本セッションのハイライトは、株式会社IHIの太田 昌来 氏による、実務の示唆に富む事例紹介でした 。

セッションでは、以下のプロセスについて具体的な解説が行われました :

  1. 課題認識:なぜ今「AI読み取り対応」が必要だと判断したのか導入のきっかけ:
  2. サステナブル・ラボと連携し、客観的な可読性診断を行った背景
  3. 実施プロセス:既存報告書をどう分解し、AIが理解しやすい「型」に落とし込んだか
  4. 成果と手ごたえ:情報の整理・構造化が、社内の情報整理力向上にどう寄与したか

単にテクノロジーを追うのではなく、「企業側の情報整理力と表現力こそが、AI時代のコミュニケーションの本質である」という太田氏の言葉には、多くの参加者が深く頷いていました 。

開催後にいただいた、参加者の関心が高かったポイントは以下の通りです。

  • AIが理解しやすい情報構造(見出し構造・章立て・テキスト構造)の重要性
  • 統合報告書やIR資料における「人とAI双方に伝わる設計」という考え方
  • IH社様Iの事例を通じた、実際の企業開示におけるAI可読性の実装イメージ
  • 企業側の情報整理力と表現力が、AI時代のコミュニケーションにおいてより重要になる点

また、AI技術の進化と企業開示の関係についても議論が広がり、今後のIR・サステナビリティ開示のあり方について、実務的な視点での意見交換が行われました。

■参加者の声

当日は、AI可読性という新しい視点について、多くの前向きな感想が寄せられました。

  • 「AI可読性とそのポイントがわかりやすかったです。また、IHIさまでの実例があり良かったです。」
  • 「AI側もテクニカル技術をカバーするように進化する可能性はありますか。事業会社側が端的に表現する力も必要になるかと思いました。」
  • 「AI可読性についてよく耳にしていましたが、今回初めて具体的な内容を学ぶことができました。」

■まとめ

生成AIの普及により、企業が発信する情報は「人」だけでなく「AI」にも読まれる時代になりつつあります。
本イベントでは、AI可読性という視点を通じて、企業開示の構造設計や情報整理の重要性が改めて共有されました。
今後、企業開示においては「どれだけ多くの情報を発信するか」だけでなく、「AIと人の双方に正しく理解される形で情報を構造化できているか」が重要な要素になっていくと考えられます。
引き続き、こうしたテーマについて議論を深める機会を提供していきます。


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