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Weekly Update

今週のESGニュース vol.023

【9/4〜9/11】のESG関連ニュースをまとめてお届けします
A summary of ESG-related news 【4th – 11th September】

Reported by Ingo Tietböhl(Director of ESG Research and Solutions)

 

“EFRAG-GRI JOINT STATEMENT OF INTEROPERABILITY”

EFRAGとGRI、相互運用性に関する共同声明

(2023/9/4)

  • According to EFRAG, “Crediting the close cooperation during the development of the draft European Sustainability Reporting Standards (ESRS), EFRAG and GRI acknowledge that they have achieved a high level of interoperability between their respective standards in relation to impact reporting. They have prevented the need for double reporting by companies resulting in a user-friendly reporting system without undue complexity.”
  • “In keeping with the requirement formulated in the CSRD to adopt a double materiality approach and to take account of existing standards, the ESRS have adopted the same definition for impact materiality as GRI and have leveraged GRI’s expertise.”
  • “Existing GRI reporters will be well prepared to report under the ESRS given the many shared disclosures and high level of alignment achieved.” Also, “Entities reporting under ESRS are considered as reporting with reference to the GRI Standards (as defined by GRI 1).”
  • The alignment between ESRS and GRI Standards represents a significant step forward in simplifying sustainability reporting for businesses. It reduces the need for double reporting, making it easier for companies to comply with evolving ESG reporting requirements. This interoperability will likely encourage more companies to adopt sustainable reporting practices and contribute to the global push for greater corporate transparency in ESG matters.

 

株式会社商船三井『商船三井とShellが海運セクターの脱炭素化推進に向けた覚書を締結』
川崎汽船株式会社『香港にて当社鉄鋼原料輸送船に舶用バイオ燃料を供給』

Mitsui O.S.K. Lines, Ltd.: “MOL and Shell Sign MOU to Promote Decarbonization of the Shipping Sector”.
Kawasaki Kisen Kaisha, Ltd.: “Supplying Marine Biofuel to MHI’s Steel Raw Material Carriers in Hong Kong.”

(2023/9/8)

  • 商船三井はShell Marineと共に『海運業界を取り巻く環境意識の高まりに迅速に対応する為、両社で船舶のGHG排出削減に向けて協業することで合意し、覚書を締結』したと発表。また、『商船三井グループは、環境戦略を経営計画「BLUE ACTION 2035」の重点戦略の一つに位置付けており、日本の外航海運業界で初めて2050年までにGHGネットゼロを達成する目標』を表明している。
  • 川崎汽船は、『グローバルに供給網を展開する舶用燃料サプライヤーのPeninsula と舶用バイオ燃料供給契約を締結し、資源メジャーのBHP協力の下、8月11日(金)に香港において当社運航の鉄鋼原料輸送船「CAPE AMAL」(以下、「本船」)が舶用バイオ燃料の供給を受けました。本船は8月29日(火)から、本バイオ燃料を利用した航行を開始しました。』と発表。また、『本バイオ燃料に含まれるFAME(脂肪酸メチルエステル)は従来の化石燃料と比べてライフサイクル(原料の栽培から最終的な燃料利用迄)で約84%のCO2削減効果』が見込まれると説明。
  • これらの取り組みによって、両社が戦略的な脱炭素取り組みや、クリーン船舶燃料の効果を検証し、海運業界の脱炭素化をリードする意向が示されている。

 

『トヨタ、米国カリフォルニア州の物流拠点でグリーン水素生成およびCNオペレーションにチャレンジ』

“Toyota Takes on the Challenge of Green Hydrogen Generation and CN Operations at Distribution Site in California, U.S.A.”

(2023/9/7)

  • トヨタ自動車は、『北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.(以下、TMNA)は、カリフォルニア州ロングビーチ港の物流拠点トヨタロジスティクスサービス(以下、TLS)において、グリーン水素をオンサイトで生成する施設「Tri-Gen(トライジェン)」を竣工しました。これにより、100%再生可能エネルギー由来のカーボンニュートラル(CN)な港湾オペレーションの実現を目指します。』と発表。
  • また、Tri-Genは『畜産場の家畜排泄物や余剰食品等の廃棄物系バイオマスから水素を取り出し、燃料電池を用いて発電することで、再生可能エネルギーから水素・電気・水の3つ(Tri)の物質を生成(Generate)します。』と説明。さらに、『TMNAはFuelCell Energy社からこれらの水素・電気・水を20年間購入する契約を締結しました。』と公表。
  • 同施設は地域社会への貢献を含め、CO2排出量の削減、NOx排出の防止、ディーゼル燃料の節約、余剰電力供給などが期待され、カーボンニュートラルへの一歩として大きな意義を持つものである。

 

『パナソニックHDとゼンリンが電気自動車(EV)を活用したエネルギーマネジメントの共同開発に着手~カーボンニュートラル実現への貢献を目指し「EVチャージ需要マップ」の提供を開始~』

“Panasonic HD and Zenrin initiate joint development of energy management utilizing electric vehicles (EVs) – “EV Charge Demand Map” to contribute to the realization of carbon neutrality -.”

(2023/9/8)

  • パナソニックHDとゼンリンは、『カーボンニュートラル実現への貢献を目指し、電気自動車(EV)を分散型エネルギーリソースとして活用するエネルギーマネジメント機能の構築に向けて共同開発に着手しました。本取り組みの第一弾として、ゼンリンより9月8日(金)からEV充電器メーカーや、EV充電器の管理・運用を行う企業向け「EVチャージ需要マップ」の提供を開始』すると発表。
  • 具体的には、『ゼンリンが保有するデータを活用し、パナソニックHDとゼンリンで開発を進める独自アルゴリズムによりEV充電器の立地・需要エリアを可視化するEVチャージ需要マップの提供を行います。このEVチャージ需要マップの提供により、EV充電器メーカー、EV充電器の運用管理を行う企業に対して、より効率的・効果的な設備投資をサポートし、EV充電器普及に寄与』するとしている。
  • EVの普及には十分な充電インフラが不可欠であり、EV所有者が便利に充電できるインフラの整備が、普及の鍵となる中、充電インフラの適切な配置と需要予測は、効率的で効果的な設備投資をサポートし、国内のEVの普及につながるかどうか注目したい。

 

リコーグループ『サーキュラーエコノミーレポート2023』を開示

Ricoh Group Discloses “Circular Economy Report 2023”

(2023/9/8)

  • 同グループは『サーキュラーエコノミーレポート2023』を発行し、『2023年度からスタートした第21次 中期経営戦略では「グローバルなESG潮流への対応」と、全社戦略である「デジタルサービスの会社への変革」の後押しの2つの視点で7つのマテリアリティと16の全社ESG目標を設定』し、『具体的には、世界共通の課題である気候変動や人権問題に関する目標、デジタルサービスの会社への変革に必要なデジタルサービ ス関連特許や情報セキュリティ、デジタル人材育成などの目標を設定しています。』と説明。
  • 注目すべき点として、『2030年目標:製品(複写機/複合機、プリンター、デジタル印刷機)の新規資源使用率60%以下、リユース・リサイクル率87.5%以上。2050年目標:製品(複写機/複合機、プリンター、デジタル印刷機)の新規資源使用率12%以下、リユース・リサイクル率93.5%以上』と詳細に設定したことと、『全社的なESGの取り組みの確認ツールとして活用している「DJSI年次レーティング」を取締役 ・執行役員賞与フォーミュラに組み込むことで、ESGの取り組みへのインセンティブ』としたことが挙げられる。
  • 同グループが自社を取り巻く経営環境を踏まえ、ビジネスモデルへの重要性が高い資源分野で、将来の経営リスクを見越した対策を進めている姿勢はポジティブである。資源価格の高騰への対応や、使用済み製品の適正処理、その他の効率的な資源利用への取り組みが今後、どのようなインパクトを同社の業績にもたらすかに注目したい。

 



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