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今週のESGニュース vol.013

【6/19〜6/26】のESG関連ニュースをまとめてお届けします。

Reported by Ingo Tietböhl(Director of ESG Research and Solutions)

【日立製作所】役員報酬を競合企業の株価上昇と連動

(2023/6/20)

  • 同社は、役員報酬をシーメンスやアクセンチュアといった海外のライバル企業の株価上昇率と連動させる計画を発表。この新制度は「役員報酬と株主の利益をより一致させる」ためのものとコメント。
  • 新制度では、2023年4月から2026年3月までの間に日立の株価が全10銘柄を上回った場合、2026年の対象役員は標準的な株式報酬の2倍を受け取ることができる。
  • 役員報酬を競合に対する株価パフォーマンスに連動させることで同社が比較対象としているライバル企業も明確化される。同社の野心的なガバナンス改革に注目だ。

【欧州理事会】2030年までにEUの陸地と海域の最低20%を回復させることを目的とした自然回復法に関する合意を発表

(2023/6/20)

  • これはEUの生物多様性目標にとって大きな前進であり、環境に大きな影響を与えることが期待される。
  • この協定には、自然を保護し回復させるための多くの措置が含まれている
      • EU加盟国に国家復興計画の策定を義務付ける
      • 修復プロジェクトへの財政支援
      • 修復の取り組みが、農業や林業など他のEU政策に統合されるようにする
  • 協定は、2023年後半に欧州議会と理事会で正式に採択される予定であり、EU以外の生物多様性目標の設定を加速させる動機になる可能性。

【日本】ジェンダーギャップ指数で146カ国中125位(前年比-9位)、政治分野と経済分野が課題

(2023/6/21)

  • 世界経済フォーラムが2023年6月21日に発表した「ジェンダーギャップ指数」によると、日本は146カ国中125位にランクイン。前年の116位から9つ順位を下げた結果。
  • 政治分野と経済分野で特に順位が低く、女性参画が進んでいない。報告書によると、労働力人口の54.2%が女性である一方、女性管理職比率は12.9%にとどまっている。政治参加率は5.7%と低水準を維持し国会議員の10%、閣僚の8.3%が女性。
  • 日本はG7で再び最下位となり、総合79位のイタリアを下回った。米国はG7で下から3番目、全体では43番目だった。内閣官房長官松野 博一氏は20日、日本の低い成績を受けて、日本は女性の社会進出、特に政治分野への参画を積極的に推進する計画だと述べた。

【デンマーク・MAERSK】海運の脱炭素化を主導

(2023/6/21)

  • 世界最大のコンテナ船会社であるマースクは、既存の船舶の一部をグリーンメタノールで航行する改造計画を発表。メタノールは従来の船舶用燃料よりもクリーンな燃焼燃料である。
  • 最初の改修は2024年に予定されており、将来の船舶は2027年に改修される見込みだ。早ければ2027年にもメタノールを動力源とする船隊を運航できることになり、海運業界の脱炭素化をリードする存在となる。
  • 自社船舶の改造を決定したことは、海運業界全体にとってポジティブ。これは、海運業界に脱炭素化の道筋があることを示し、今後、他の海運会社の動向にも注目したい。船舶燃料としてのメタノール利用はまだ初期段階にあるが、船舶からのCO2排出量を大幅削減できる可能性を秘めている。

世界のエネルギー事情】再生可能エネルギーが成長したものの、化石燃料への依存度から脱却は依然として遅い

(2023/6/26)

  • ロイター通信によると2022年の世界のエネルギー需要は再生可能エネルギー容量が過去最大の266ギガワットに達したにもかかわらず、供給の82%は化石燃料が占める。
  • 自然エネルギーの増加を牽引したのは太陽光・風力発電で、増加分の80%を占めた。しかし、これら2つのエネルギー源はまだ世界のエネルギー供給の14%に過ぎない。
  • 化石燃料の支配が続くことは、世界の気候変動問題にとって大きな課題であり。国際エネルギー機関(IEA)は、気候変動による最悪の影響を回避するためには、2050年までに排出量を正味ゼロにする必要があると引き続き強調。再生可能エネルギー領域の成長については、高い初期費用と支援政策の欠如を注視する必要がある。

【東芝】小型センシング技術がCO2資源化とカーボンフットプリント測定に貢献

(2023/6/26)

  • 同社は世界で初めて、実環境でリアルタイムに二酸化炭素や水素などを含む混合ガスの濃度を測定できる小型センシング技術を開発。実証実験などを通じて、2026年を目途に本技術の実用化を目指すとしている。開発されたセンシング技術は、CO2資源化技術の効率化や信頼性の高いカーボンフットプリントの実現に貢献することが期待される。
  • この技術は、従来のガスクロマトグラフィーよりも1/200以下のサイズで150倍以上の速度で複数のガス濃度をモニタリングできることが特徴。また、感度の異なる複数の熱伝導型ガスセンサーを組み合わせ、アルゴリズム処理によって各ガスの濃度を正確に測定する仕組みも持つ。電気回路とセンサー・アクチュエーターを微細加工技術によって1つの基板上に集積するMEMS技術が採用され、高速化・小型化が実現されました。
  • 同センシング技術は、CO2資源化技術の効率化や信頼性の高いカーボンフットプリントの実現、水素関連の技術に貢献することかに注目。

【トヨタ・豊田通商・三菱化工機】バイオガスから水素を生成する装置を稼働開始、地域の持続可能なエネルギー転換に注目

(2023/6/26)

  • トヨタ自動車、豊田通商、三菱化工機は、タイでバイオガスから水素を生成する装置を導入し、年内に稼働開始。この装置は鶏糞や廃棄食料由来のバイオガスを利用して水素を製造するものであり、タイのカーボンニュートラル実現に貢献することが期待されている。
  • 三菱化工機が製造を担当し、2023年11月に導入されます。トヨタと豊田通商は、バイオガスや水素の圧縮、貯蔵、輸送に関わるシステム構築や導入、運用体制の構築に協力。従来の水素ステーションとは異なるため、現地事情を考慮し、3社と現地事業体が連携して議論を進めている。
  • 今後も3社は、日本の水素関連技術を活用し、各国・地域に合わせたクリーンエネルギーの活用促進に努め、水素社会とカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく予定。

A summary of ESG-related news [19th -26th Jun].

Reported by Ingo Tietböhl(Director of ESG Research and Solutions)

【Hitachi, Ltd】Linking Executive Remuneration to the Rise in the Share Price of Competitors.

(Jun 20, 2023)

【EU Council】Announces Agreement on a Natural Restoration Measures with the Aim of Restoring at Least 20% of the EU’s Land and Sea Area by 2030.

(Jun 20, 2023)

【Japan】Ranks 125th out of 146 Countries in the Gender Gap Index (-9th Compared to the Previous Year), with Challenges in the Political and Economic Fields.

(Jun 21, 2023)

【MAERSK】Leading the Decarbonisation of Shipping.

(Jun 21, 2023)

【World Energy】Renewable Energy Has Grown, but the Move Away from Dependence on Fossil Fuels is Still Slow.

(Jun 21, 2023)

【TOSHIBA】Miniature Sensing Technology Contributes to CO2 Recycling and Carbon Footprint Measurement.

(Jun 26, 2023)

【TOYOTA, TOYOTA TSUSHO and Mitsubishi Kakoki】Equipment that Generates Hydrogen from Biogas is Now in Operation, Focusing on Sustainable Energy Conversion in the Region.

(Jun 26, 2023)



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