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今週のESGニュース vol.011

【6/6〜6/12】のESG関連ニュースをまとめてお届けします。

【KLMオランダ航空】グリーンウォッシュを訴えられる

(2023/6/8)

  • オランダの裁判所は、KLMオランダ航空に対して、同社がグリーンウォッシュを行っていると非難する裁判を許可。この訴訟は、オランダの気候変動対策団体であるFossielvrij NLと、非営利の環境法律団体であるClientEarthによって起こされた。
  • 両団体は、航空会社の持続可能な取り組みをアピールするKLMの広告キャンペーンは誤解を招き、バイオ燃料や合成燃料の使用といったKLMの気候変動対策は、持続可能なフライトのための対策としては不十分であると主張。また、フライトを予約した乗客がカーボンオフセット製品を使用して「影響を軽減」できるCO2ZEROサービスは、植樹によってフライトによる排出量を相殺または削減できることを示唆しており、誤解を招くものとなっているとの指摘も。
  • 裁判所の判断は、他の企業に対しても、持続可能性への取り組みについて消費者を欺くことはできないというメッセージを送る可能性がある。裁判はまだ進行中ではあるが、欧州ではグリーンウォッシュとの闘いにおいて前向きな姿勢が表れている。

【JPX】2023年10月を目途にカーボンクレジットの排出量取引の常設取引を開設

(2023/6/9)

  • 国内の森林整備や再エネ・省エネ等によるJ-クレジットを軸にする方針で、10月を目処に常設取引所を開設すると発表。
  • 東証は2022年9月から2023年1月まで、経済産業省の委託で排出量取引の試行取引を実施。成果を踏まえて、7月を目処に市場参加者の登録申込受付を始める予定。
  • SBIホールディングスと環境スタートアップ企業によるカーボンクレジット・排出権取引市場の開設が6月8日に公表されたことで、JPXが追いかけるかたちとなり、参加企業数を促すために、当面は市場利用料が無料となる可能性が高い。今後も、カーボンクレジット市場の競争激化が想定される。

【積水ハウス】サプライチェーンを含めた脱炭素目標の高度化を図る

(2023/6/9)

  • 積水ハウスは住宅事業における環境負荷低減目標「SBT(Science Based Targets)」を策定したと発表。また、サプライヤーの6割以上が2027年まで同様に科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標策定することにもコミット。
  • 2030年までに2013年比で75%の温室効果ガス削減(スコープ1+2)、スコープ3カテゴリー11は55%削減の目標を設定。目標を達成するため、同社は、住宅の省エネ化、再生可能エネルギーの導入、カーボンニュートラル住宅の開発など、さまざまな施策を実施する。
  • 今後、サプライチェーンを含めたSBT目標設定等、住宅業界の同業他社が同社に続くかどうか注目される。

【KDDI】国内通信事業者で初めてTNFDレポートを開示

(2023/6/9)

  • 2030年度までの環境保全計画「KDDI GREEN PLAN 2030」では、「気候変動対策」、「生物多様性保全」、「循環型社会の形成」の 3 つを重点課題設定。その一環として2023 年 5 月に 自然関連財務情報開示タスクフォース (TNFD) フォーラム、「生物多様性のための 30by30 アライアンス」に加盟。
  • 自然資本への依存と影響度を分析し、携帯端末の原材料・製造における有害物質の影響、 基地局建設や通信ケーブル設置に伴う土地改変による影響、および水資源や気候・土地の安定化機能への依存などの主要リスクを特定。
  • 自然関連の指標として、温室効果ガス排出量(スコープ 1、2、3)、水資源消費量、産業廃棄物排出量等、使用済み携帯電話などの回収数をKPIとして設定。今後は、日本企業によるTNFDレポート開示の動向が注目される。

KDDI 株式会社 TNFD レポート 2023より抜粋

独メルセデス・ベンツ】H2グリーンスチールと欧州・北米でグリーンスチール協定を締結

(2023/6/10)

  • 同社は、スウェーデンの新興企業であるH2 Green Steelと、欧州で車両に使用する低炭素鋼を供給し、北米でグリーン・スチール・サプライチェーンの確立を目指す新しい契約を締結。
  • H2 Green Steelは、スウェーデンのボーデンに世界初の化石燃料を使わない製鉄所を建設中で、工場は2025年に生産を開始し、年間500万トンの鋼材を生産する予定。メルセデス・ベンツは、H2グリーンスチールの低炭素鋼の最初の主要顧客となり、同社が2039年までにサプライチェーンをカーボンニュートラル化する目標に向けて、貢献が期待される。
  • メルセデス・ベンツとH2グリーンスチールの合意は未来の自動車業界への布石だ。本合意は、低炭素鋼の大規模生産を可能にし、同産業がカーボンニュートラルを達成するためには、グリーンスチール産業の発展が不可欠であることを示している。

A summary of ESG-related news [6th Jun-12th Jun].

【Dutch Airline KLM】Sued for Greenwashing

(Jun 8, 2023)

【JPX】Opens Permanent Carbon Credit Emissions Trading by October 2023

(Jun 8, 2023)

【Sekisui House】Advances Decarbonization Targets, Including Supply Chain

(Jun 9, 2023)

【KDDI】Disclosed TNFD Report as the First Japanese Telecommunications Carrier.

(Jun 9, 2023)

【Mercedes-Benz】Signed Green Steel Agreement with H2 Green Steel for Europe and North America

(Jun 10, 2023)



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